「大阪府解散!」

「改革の為に府民に痛みを強いる以上、公務員も自分達の身を切らなければ、納得されない」という某知事の主張について。

試しに、「大阪府解散!」とでも宣言してみたらどうだろうか。公務員は全員解雇。行政サービスは一切停止。教育も福祉も治安に関しても全部自己責任で。インフラの構築・維持管理は使用者によるコスト負担で。ちなみに債務の償還が終わるまでは徴税は行われる。

これこそが究極の財政赤字再建策である。「公務員は敵」で、「財政赤字は何よりもまず解消されるべき優先課題」と思い込んでいる人たちは、この案にもさぞかし諸手を挙げて賛成をしてくれるだろう。何しろ憎き敵と最大の課題が一掃されるのだから、その後には彼らにとっての「理想郷」が待ち受けているというわけだ。

ちなみに、これに近いような例が確か北海道の某自治体で起きており、そこでは住民の流出に歯止めがかからない状態だそうだ。公務員抜きでやっていける裕福な府民の方々にはぜひとも移住を勧めたい。ちなみに代わりにやってくるはずの気前のいい「民間」の参入もいまだないようだが、彼らはいつになったら来るのだろうか。

ところで。将来「そうなりたくない」から今改革しているのだ言われるかもしれない。なるほど。なるべくサービスは廉価で今まで通りに維持せよ・ただし給料は下げさせてもらう=要するに公務員への「しわ寄せ」によって、財政再建したいというわけだ。とすれば逆に公務員にお願いしなければならない立場なんでないの?府民の皆様方は。それとも公務員なんだから「汗をかくのは当然」・公僕なんだから「奉仕の精神で」というわけだろうか。

「公務員と住民が対立構造にある」という前提を何の疑いもなくナイーブに信じ込んでいる人たちには某知事がさぞかし正義の味方に見えているのだろう。僕にはそれが「サービスの対価」について一顧だにしない、極めて傲慢な態度に見えるのだが。